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サグラダ・ファミリア
- サグラダ・ファミリアは、スペイン・バルセロナのカトリック教会です。建築家アントニ・ガウディが手がけた「未完の聖堂」として知られ、1882年の着工以来、今なお建築が続いています。ガウディが生前に手掛けた一部分は、2005年に「アントニ・ガウディの作品群」として世界文化遺産登録されています。
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石工目指し渡欧 彫刻家 外尾悦郎氏
- 外尾悦郎氏は、1953年福岡県生まれ。1977年に京都市立芸術大学を卒業したのち、中学校・高校定時制非常勤教師を経て、翌1978年に石工を目指してヨーロッパへ渡りました。その際、サグラダ・ファミリアに遭遇。ツテもなく、コネもなく、しかし情熱とたゆまぬ努力で研究生としての地位を獲得し、修復家、彫刻家として、46年の長きにわたって関わることになりました。現在は主任彫刻家を務め、これまでに約500もの彫刻作品を手がけています。
2024年9月、バチカンのローマ教皇庁から学術研究などで優れた成果を残した人物をたたえる「ラツィンガー賞」が授与されることになりました。 -
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「生誕の門」飾った石膏像
- 寄贈いただいた石膏像の「歌う天使たち」9体は、2000年に砂岩で制作された石像に置き換わるまでの約10年間(1990~2000年)、実際にサグラダ・ファミリアの「生誕の門」に設置され、現地を訪れた多くの人々の目に触れてきました。
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現地に設置されていた様子(1994年春)
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- イエスの誕生を喜ぶ子天使たちの仕草や表情、柔和な笑み、イエスを見るために下に降りようとする天使たちの動きなども相まって、その歌声が、今にも聞こえてきそうな作品です。
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「ガウディとサグラダ・ファミリア展」の様子
- 日本で開催された「ガウディとサグラダ・ファミリア展(2023年6月~2024年3月、東京・滋賀・愛知)」でも展示されました。
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苦労の跡 あちこちに
- 外尾氏は、ガウディの残したわずかな資料を手掛かりにこの石膏像を造り、生誕の門に実際に設置することで、周辺の彫刻群とのバランスや全体との調和・比率などを確認し、最終的に石像に置き換える作業をしました。よく見ると、石膏像の表面には、多くのマーキングが施されていることが分かります。また、切り刻んだ跡やつなぎ目なども見受けられ、まさに石の彫刻を生み出すための大変な苦労が刻まれているようです。
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ご支援のお願い
- 100年前の巨匠が見つめたものを、現代の彫刻家がたどり、次代に伝えていく。深い思いが重ねられた石膏像の天使たちは、20年余りの眠りから再び目覚め、京都の地でより多くの人たちに力を与えようとしてくれています。ぜひ、多くの方々に出会っていただきたいと思い、開かれた大学を標榜し、人々と芸術の豊かな交流を目指す京都芸大キャンパス内のオープンなスペースに常設展示することにしました。
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- これらの天使たちは、石膏像とはいえ設置するステージも含めると総重量が約1トンにもなります。ステージを建物壁面にアンカー等で固定したうえで、さらに石膏像を固定する必要があることから、相当な荷重に耐えられる大掛かりな工事が必要となります。加えて常設展示するためには、事前に石膏像の傷み具合のチェックや補修等も必要となります。少なくとも、約4,500万円の費用が見込まれます。
公立大学では、この特別なプロジェクトにつぎこめる予算の確保は非常に困難です。身の丈を超えたプロジェクトではありますが、多くの皆様に共感・ご支援いただけることをお願い申し上げます。 -
リスクとチャレンジ
- 目標額に達しなかった場合でも、外尾悦郎氏から寄贈いただいた「歌う天使たち」石膏像(9体)のキャンパス内常設展示に向けた取り組みを推進いたします。
事業規模やスケジュールに変更が生じたとしても、スペイン大使館や応援していただいている皆さまの思いや期待を踏まえ、多くの皆さまにご覧いただけるよう尽力してまいります。 -
京都市立芸術大学について
- 京都市立芸術大学は、1880年に日本初の公立の絵画専門学校として開設された京都府画学校を母体とする日本で最も長い歴史を持つ芸術系の学校です。1889年に京都府画学校は京都府から京都市に移管され、その後、市立絵画専門学校,市立美術専門学校と変遷を経て、1950年に市立美術大学となります。一方、1952年にやはり全国初の公立音楽大学として京都市立音楽短期大学が設置されます。この2つの大学が1969年に統合し、現在の京都市立芸術大学となりました。
美術分野の卒業生には、堂本印象氏、小野竹喬氏、山口華楊氏、上村松篁氏、上村淳之氏、ワダ・エミ氏、皆川魔鬼子氏、森村泰昌氏、ヤノベケンジ氏、名和晃平氏などがおられます。
2023年10月には、43年間親しんだ西京区沓掛のキャンパスを離れ、京都駅東部エリア(下京区)に全面移転しました。この新しい場所で、テラスのように開かれた大学を目指し、日々芸術に関わる教育や研究に取り組んでいます。 -
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常設展示に寄せて…外尾悦郎氏
- ガウディが直接手がけた「生誕の門」には6体の楽器を奏でる天使と「歌う天使たち」が、何故か中央なのに造られずに残されていた。1985年初めて彫ったハープの天使を設置した当時、皇太子であられた現上皇御夫妻がお見えになり、とても興味深くご覧になられていたことをいつも思い出す。その後も多くの果実彫刻などと並行して天使たちを完成させたのだが、最後の「歌う天使たち」も20世紀のうちに完成させたいと思い、1990年にこのたびの原寸模型を造り、現場に設置したものの聖堂からは石に換える許可が中々下りなかった。
他の急ぎの仕事があったのも確かなのだが、”サグラダ・ファミリアはいつまでもできない仕事“の象徴とされ、本当はきちんと仕事をすることの方が早くいい加減な仕事をするよりも大切にしていたガウディへの汚名を払拭したかったのだが、何故か10年も待たねばならなかった。何度も説得交渉の末、やっと2000年クリスマス、つまり20世紀の最後のキリスト生誕の日に間に合わせることができた。これで“いつまでもできない”聖堂への汚名が返上できたかは不明だが、少なくともガウディが手がけ始めた「生誕の門」は同世紀のうちに完成させ得たことは、セネカの言う“己れのみ知る”満足なのかもしれない。
1990年から完成までの10年の間に聖堂を訪ねられた世界中の方々の記憶に残る「歌う天使たち」は、今ここ京都駅近くに移転した京都市立芸術大学に設置され、ここへ来られれば再会できることになる。私自身も念いを込めて石に換えていく手筈が模型に鉛筆書きされているのが残っていて恥ずかしい思いもあるが、後輩たちのご興味に添えるのであれば忍びたい。 -
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天使の歌声を聴くために…赤松玉女 京都市立芸術大学学長
- 1994年3月、私はヨーロッパを巡る一人旅の途中で、バルセロナのサグラダ・ファミリア聖堂を訪れました。そこで「歌う天使たち」の彫刻群に心惹かれ、写真を撮り、アルバムに残しています。
今回、まさにその「歌う天使たち」が作者の外尾悦郎さんから京都市立芸術大学に寄贈されました。これらの像は1990年から2000年の間、「生誕の門」に設置されていました。スペインの太陽と自然に晒されながら、今なお美しく保たれた天使たちは、時空を超えて人の心を動かす芸術の化身です。ガウディの想いを探り続け、サグラダ・ファミリア聖堂とともに人生を歩んだ外尾悦郎さんの作品を、本学のキャンパスに設置し多くの人々に鑑賞していただくことは、多様な価値を尊重しつつ、文化や歴史に学び、新しい芸術で未来を創ろうとし続ける本学の、シンボルの一つとなるでしょう。
実は教会を訪れた際、私は偶然にも外尾さんをお見かけし、声をかけています。同窓の先輩がサグラダ・ファミリア聖堂で彫刻に携わっておられると、伝説のように語り継がれる外尾さんに出会えた感激を今でも覚えています。
サグラダ・ファミリア聖堂の長い歴史にあって、この石膏の天使像が設置されていたのはわずか10年。その間に現地で鑑賞したこと、外尾さんにその日その場で出会ったこと、そして30年の時を経て大学に寄贈のお申し出があったこと、奇しくも巡り合わせたこの三つの出来事を、私は偶然とは思えないでいます。
この天使たちを公開するに相応しい空間で、末長く安全に展示するために、より多くの皆様からのご支援を心からお願い申し上げます。
京都市立芸術大学学長、画家 赤松玉女 -
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リターンについて
- ご支援いただいた寄付額に応じて返礼品をお送りいたします。
今回ご用意した返礼品のうち、クリアファイル、トートバッグ、ステッカーについては、外尾悦郎氏からいただいたサインや写真を基に、京都市立芸術大学でオリジナルのデザインを施しました。どこでも販売されていない貴重な品物を限定でご用意いたしました。 -
- なお、トートバッグについては、京都市山科障害者授産所で制作していただきます。返礼品を通して、授産所で働く方々の支援につながることを目指しています。
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- 芳名帳にご支援いただいたお名前を記帳し、「歌う天使たち」石膏像の中にお納めさせていただきます。特別に外尾悦郎氏の了解を得て実現できました。皆様からのお名前を次世代の人たちに伝えたいと思います。
- また、キャンパスでの設置工事に先立ち、京都芸大で保管している「歌う天使たち」石膏像(2体)の箱を特別に開けて、間近で石膏像を見ていただきます。外尾悦郎氏が石膏像に付けたマーキングや、石膏像の細かい材質や色などもご覧になれます。設置後は石膏像を距離を置いてしか鑑賞できなくなりますので、大変貴重な設置前バックヤードでの見学となります。どうぞ、サグラダ・ファミリアの「生誕の門」に10年間設置されていた石膏像の質感を近くで感じてください。写真撮影も可能です。
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- 外尾氏に母校である京都芸大にお越しいただき、ご支援いただいた方々限定の特別な講演会を開催することを計画しています。時期は2025年4月中旬を予定しています。詳細な日程は、現在、外尾悦郎氏のサグラダ・ファミリアでのスケジュールと調整しているところです。本年11月頃に発表いたします。
- これ以外にも、大変魅力的な返礼を用意することができました。どうぞ、リストをご覧ください。
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寄付金控除について
- 本プロジェクトへのご支援につきましては、寄附金控除の対象とはなりません。誠に恐縮ですが、税制上(所得税等)の優遇措置が受けられないこと、予めご了承いただけますようお願い申し上げます。
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賛同者メッセージ
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スペイン大使館(フェルナンド・クルシオ 文化科学担当参事官)
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スペイン大使館(ヘスス・サンツ 前 文化科学担当参事官)
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銅版画家 山本容子さん
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メディアアーティスト 落合陽一さん
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漫才師、映画監督、俳優、画家、作家、歌手 北野武さん
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夏木マリさん
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