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世界が集う報道写真コンテスト
- World Press Photoは、世界で最も権威のある写真コンテストの一つです。オランダのWorld Press Photo Foundation(世界報道写真財団)が運営し、年に1回、前年に世界各地で撮影、制作された報道写真から受賞作を選びます。受賞した写真は毎年、約80都市で展示されており、戦争、人権侵害、気候変動などの重要なストーリーを何百万人もの人々に伝えています。
コンテストは、1955年に始まりました。最初の年は11カ国42人からの応募でしたが、2024年は130カ国約4000人から約60000点の写真とプロジェクトの応募がありました。 -
- 〈「今年の写真」に選ばれた「めいの遺体を抱きしめるパレスチナ人女性」。イスラエル軍のミサイルが自宅を直撃し、死亡した。ガザで取材を続けるパレスチナ人フォトジャーナリスト、モハメド・サレムさんが昨年10月17日に撮影した〉
- 6つの地域(アフリカ、アジア、ヨーロッパ、北中米、南米、東南アジアとオセアニア)ごとに、シングル、ストーリー、長期プロジェクト、オープンフォーマットの4部門の地域優勝者を決め、その後、4部門のグローバル優勝者を決定します。今年はそれら24作品に加え、佳作と審査員特別賞が数点選ばれました。
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- 〈World Press Photoの授賞式典。世界各地で取材した各賞の優勝者が集った(5月) ©World Press Photo Foundation〉
- World Press Photoは、日本でも「世界報道写真展」の名称で親しまれ、長年開催が続いていましたが、2021年を最後に開かれていません。
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- 〈Tokyo, 1967 - © World Press Photo Foundation〉
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3年ぶりの「復活」 きっかけは…
- 「世界の『今』を知る扉を開きたい」―。3年間の空白を経て、京都新聞と世界報道写真財団が日本開催の「復活」に向けて動き出しました。
きっかけは、京都新聞の連載「700万人時代-認知症とともに生きる」の写真シリーズが2024年のコンテストで入賞したことでした。 -
- 〈認知症についての写真シリーズより。谷口君子さんのミシン。認知症になっても娘が少し手助けすれば生き生きと楽しめた〉
- 連載を担当した京都新聞記者の松村和彦(44)が、30枚の写真を「心の糸」と題して、革新的な表現を求めるオープンフォーマット部門に応募。アジア地域の優勝者となりました。
松村記者は、認知症の本人の心情と症状を写真と文章で表現し、誰もが自分や身近な人が認知症になる時代を迎えた超高齢社会の日本のあるべき社会像を伝えようとしました。2023年春の京都国際写真祭 KYOTOGRAPHIEでも展示されたので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。 -
- 〈2023年春の京都国際写真祭KYOTOGRAPHIEで展示された「心の糸」(京都市中京区・八竹庵)〉
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京都から世界へ 窓を開く
- コンテストの受賞が決まった後、松村記者は、かねて面識があった展示担当ディレクターのバベット・ワレンドルフさんと日本開催の復活について話し合いました。お互いに報道に関わる者として、開催がないことを残念に思っていました。
「世界の重要な出来事を知る写真展が開催されていない状況を変えなければ」。京都府、滋賀県の地方紙としてローカルとグローバルなニュースを読者に届ける京都新聞が、日本開催の現地主催者になることを決めました。 -
- 〈京都新聞印刷工場跡(京都市中京区)〉
- 展示会場はすぐに決まりました。京都市中京区の京都新聞社の地下にはかつて新聞を印刷していた工場跡の巨大な空間があります。2015年11月末の工場閉鎖まで、毎日、国内外のニュースを印刷していた場所で世界の報道写真を展示する。これほどふさわしい場所は他にありません。
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- 〈工場跡の壁に飛び散ったインク。国内外のニュースを印刷してきた痕跡だ〉
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開催資金確保に苦労
- 一方、開催資金の確保には苦労しています。
印刷工場跡はギャラリーではないため、入場料を設けることができません。このため、ご来場いただいた方々には、無料で写真展をご覧いただけます。公共性の高い情報を多くの方に見てもらう絶好の機会となりますが、世界各地で懸命に取材したフォトジャーナリストたちの努力を形にし、巨大な会場で展示するには、高品質の大きなプリントが求められます。
今回の展示では、世界報道写真財団の本拠地があるオランダ・アムステルダムで春から夏にかけて開かれたワールドプレミア展のプリントを輸入する許可を財団から特別に得ました。しかし、輸送や会場制作に多額の費用が必要です。皆さまのご支援は、こうした費用に充てさせていただきたいと思います。 -
- 〈オランダ・アムステルダムの教会で開催されたWorld Press Photoのワールドプレミア展。入口にはカナダの森林火災を捉えた写真が展示された〉
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世界につながる写真展に
- 写真展は、ロシアによるウクライナ侵攻、ミャンマーの軍事政権による市民弾圧、尊い人命が奪われていることを伝えます。アマゾンの干ばつやカナダの森林火災、アメリカやフィジーの海面上昇など同時多発的に気候変動による環境問題が起こっていることも一目瞭然です。
この写真展は、世界各地で起こっていることと、つながる場になります。どうか、皆さまのお力をお貸しいただき、11月30日から12月29日まで続く写真展にも足を運んでください。よろしくお願いいたします。 -
日本における世界報道写真展
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World Press Photo展示担当ディレクター バベット・ワレンドルフ
- 1955年以来、世界報道写真財団はアムステルダムを拠点に、世界で最も重要なフォトジャーナリズム・コンテストを主催してきました。
World Press Photoと日本とは、長年にわたる関係があります。東京は、1967年に初めてコンテストの入賞作品が展示された最初の国際都市のひとつです。東京での写真展はすぐに成功を収め、数週間で3万人以上の来場者を集めました。
1970年代以降は、東京を皮切りに大阪、京都、滋賀、大分、時には札幌など、日本の他の都市にも巡回しました。
2021年に開催された日本展示ツアーが最後でしたが、毎年恒例の写真展が京都に戻ってくることを大変うれしく思います。2016年の世界報道写真コンテスト受賞者で写真家の小原一真氏はこう述べています。
「世界報道写真展は、日本で唯一、外の世界を見ることができる機会です」 -
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◇世界報道写真展2024京都
- 会 期:2024年11月30日(土)~12月29日(日)、12月15日は休館
時 間:10:00~18:00
場 所:京都新聞ビル地下1階 印刷工場跡(京都市中京区烏丸通夷川上ル)
入場料:無料 -
リターンについて
- 「World Press Photo Contest(世界報道写真コンテスト)2024」の入賞作品を収めた写真集のほか、世界報道写真展2024京都の会場となる京都新聞印刷工場跡にまつわるオリジナルグッズなどをご用意いたしました。会場でのプレミアギャラリーツアーも準備しています。
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リスクとチャレンジ
- 目標額に達しない場合も、世界報道写真展2024京都は開催いたしますが、天災などを含む社会情勢の影響により、やむを得ず写真展の会期等、変更をさせていただく場合がございます。また、それに伴いリターンの提供時期が遅れる可能性もございます。その場合は、なるべくみなさまにご納得いただけるよう、誠意を持ってご対応させていただきます。
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賛同者メッセージ
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片岡英子・Newsweek日本版フォトエディター/World Press Photo Contest(世界報道写真コンテスト)審査員
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後藤由美・REMINDERS PHOTOGRAPHY STRONGHOLDキュレーター/World Press Photo Contest(世界報道写真コンテスト)審査員
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安田菜津紀・メディアNPO Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト
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