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このプロジェクトについて
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4,000万円の葺替え費用と【寄付型クラウドファウンディング】に関するご説明
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- みなさまのおかげで約600万円のご支援を頂きました。誠にありがとうございます。
しかしながら、大屋根葺替え工事の費用は当財団の負担総額として4,000万円が必要となりますことから、5月31日までプロジェクトは継続し、ご支援を仰いでおります。
コロナ禍で5月の公開事業は中止するに至り、工事費用の確保に困窮しております。
このプロジェクトのご寄付は税額控除の対象となります。京町家継承にどうかお力添えください。ご支援をどうぞ宜しくお願いします。(21/5/11追記更新) -
ご挨拶
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- はじめまして。奈良屋記念杉本家保存会の事務局長をしている杉本節子と申します。私たちは、国の重要文化財に指定されている京町家「杉本家住宅」の維持、保存に取り組んでいます。また、杉本家が代々受け継ぐ正月、桃の節句、端午の節句、祇園祭屏風飾りなどの「ハレの年中行事」と「京商人の伝統的な暮らし・食文化」を守り、紹介しています。
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京町家 杉本家住宅について
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- 町家とは、家業と暮らしが職住一体で営まれた建物のこと。この京町家「杉本家住宅」は築151年を迎えますが、主屋の大屋根は傷みが進み、建物を維持するために野地板と瓦の葺き替え(約15,000枚)の全面修理などを今秋から実施予定です。総工費は約2億円で、国庫補助を想定しつつもあと約4,000万円の不足が見込まれます。伝統的な京都の暮らしの無形文化を残すためには、有形の町家建築が欠かせません。京町衆の文化を守りたい、そして多くの方へ伝えたい!と思いこのプロジェクトを立ち上げました。
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呉服商としてスタート、151年の歴史
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- 杉本家は1743年に呉服商「奈良屋」を創業しました。一度は大火事により焼失してしまいましたが1870年に再建されました。大店の構えの建物は、間口30m、奥行き40m。棟上げは明治になってからですが、施主、棟梁、職人はすべて江戸時代の生まれ育ちですから、間取りは江戸期の暮らし方が映し出されています。部屋が3~4列に広く展開していることが一般的な町家とはちがうところです。座敷は当主の客だけをもてなす部屋で、床の間、壁の色は派手さを抑えた格調高い造りです。
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- ※夏のしつらえの座敷
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四季折々の年中行事「ハレの文化」
- 座敷を中心とした部屋で、四季折々のハレの年中行事「桃の節句」「端午の節句」を今も続けています。しきたり・ならわしは江戸時代に書かれた暮らしの備忘録「歳中覚(さいちゅうおぼえ)」にある通りです。
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- 杉本家の建つ下京区矢田町は、祇園祭に伯牙山を出します。杉本家住宅の店の間には7月14日から16日まで、伯牙山のご神体などが飾られます。また奥座敷では秘蔵の屏風を飾る屏風祭が華やかに行われます。
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京商人の食文化 暮らしの息吹を感じる台所
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- 台所は大屋根まで吹き抜けで、太い牛梁、美しい木組が特徴です。黒レンガのどっしりとした「おくどさん(竈戸)」は釜口が4つあり、数十人いた住み込みの店員たちの食事を賄っていた活気ある商家の暮らしが目に浮かびます。ハレの日のおすし・お赤飯、そして、日常はお茶漬けとお漬物だけという質素な江戸時代の町衆の暮らしの息吹が今も感じられます。そして、祖母から母、私へと受け継がれるつましく、たおやかな京の日々のごはんごしらえ。それは比翼のような大屋根に抱かれずっと伝えられてきたのです。そして2010年にこの建物は国の重要文化財指定を受けました。
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老朽化した大屋根を直したい
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- 主屋の大屋根は、いたるところ瓦が割れ、損傷が激しく、雨漏りが頻繁に起こっています。また「杉本家住宅」は道行く人だけでなく、マンションやホテルからの俯瞰景観の一画も担っています。新しく葺き上がった大屋根が見せる景色は、暮らす人、訪れる人の目に美しい京都の風景として映ることでしょう。また今回は、耐震補強工事も同時に行います。災害や地球環境の変化に立ちむかう文化財建築の持続可能性への挑戦でもあるのです。
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失われていく京町家と、90%の減収
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- 京都市内はホテルやビルが増えて京町家の取り壊しが進み、伝統的な建築と美しい町並みの景観、風情は大きく損なわれました。そして何より私たちが危機感をつのらせたのは、そこに育まれた京都人のくらし・ならわし、文化の喪失です。さらに、コロナ禍により、年中行事の公開が行えず90%減収という危機的状態になり、建物の維持、修理費用確保が難しくなりました。
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- ※コロナ禍前の祇園祭で屏風に見入る人たち
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集まった資金の使い道
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- 杉本家保存会は90%の減収にみまわれる中、さらに主屋の大屋根の全面葺き替え、西塀修理、耐震補強工事などで約4000万円が見込まれ、その負担を迫られています。ぜひ、このクラウドファンディングによるご支援、ご協力をお願いできませんでしょうか。目標金額は350万円です。集まった資金は大屋根の瓦の費用に充て、ご支援をいただいたみなさまの思いを大切に、京町家を次の時代へ伝えてまいります。
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リターンについて
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- 寄付型クラウドファンディングとしてすべてのリターンに寄付控除証明書を付けさせていただくとともに、今回限定となるオリジナル手摺り絵はがきや杉本家特別鑑賞チケットなどをご用意いたしました。ご自身のお名前が新瓦へのお名前記載といったユニークなものも是非ご注目ください。
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リスクとチャレンジ
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- 新型コロナウイルス感染症をはじめ、社会状況によっては、やむを得ず工事が延期されたり、リターンの発送が遅くなる可能性がございます。その場合も、なるべくみなさまにご納得いただけるよう誠意を持って対応させていただきます。
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さいごにメッセージ
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- ※杉本家保存会代表理事の杉本千代子(中央)、事務局長の節子(右)、学芸部長の歌子
- うちとこのご先祖さんは、江戸時代から明治時代へと激変する時の流れに翻弄されながらも、たくましゅう生きてきやはった。その証がこの町家です。「形あるものは、いずれは滅する」のが、この世のことわりではあるけれど、木造の京町家は、大切につづくろい、慈しめば、百年先にもその姿を留め続けられるのです。京の町衆のくらしの文化を伝えてきた貴重な建築遺構を次世代へ繋ぐために、みなさんのお力をお借りしたいのです。京都に「町家があって、よかった」と、みなさんと共に感じあい、喜びあうことができるなら、これほどうれしいことはありません。今回の工事完了後は、これまで通りに、伝統的な京町家遺構・大店京町衆のくらしと文化に触れていただくための公開を定期的に続けてまいります。より多くのみなさんからのあたたかいご支援を、よろしゅうお願い申しあげます。
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税制上の優遇措置について
- 当財団は公益財団法人として京都府からの認定により本寄付は特定公益増進法人への寄付として、確定申告により法人税・所得税の寄付金控除(所得控除)の対象となります(所得税法第78条第2項及び法人税法第37条第4項該当)。寄付金の入金を確認後、「寄付金受領証明書」をお送りします。寄付金控除を受けるには確定申告の際「寄付金受領証明書」を添付する必要がありますので大切に保管してください。
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応援メッセージ
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冷泉貴実子さん(冷泉家第25代当主夫人 公益財団法人冷泉家時雨亭文庫常務理事)
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玉岡かおるさん(小説家)
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片山九郎右衛門さん(観世流シテ方 片山家第十代)
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矢崎和彦さん(㈱フェリシモ代表取締役社長)
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浅利美鈴さん(京都大学大学院地球環境学堂 准教授)
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通崎睦美さん(音楽家マリンバ奏者)
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竹安栄子さん(京都女子大学 学長)
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由紀さおりさん(歌手・女優) 安田祥子さん(声楽家)
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