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自己紹介
- 美術作家の新野洋(しんのひろし)と申します。
私は、自然の中にあるかたちや構造の共通性を手がかりに、作品を制作しています。葉と昆虫の翅(はね)、流木と骨など、既存の分類や境界をあいまいにし、実在しない「いきもの」などをつくり出すことで、自然界に潜む根源的なかたちや生命のつながりを探求しています。 -
- 私の作品は、その土地に潜む色や形を切り取り、組み替えることで、自然がもつ本質的な「かたち」を浮かび上がらせるものです。自然の造形が凝縮された「いきもの」は、その土地ならではの個性を映し出すだけでなく、人の手ではつくり出せない時間や記憶を内包し、命あるもののような気配を宿しています。私にとって作品づくりは、その土地の「今」を標本化する試みでもあります。
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- 制作の基本は、「サンプリング(型取り)」と「再構成」です。植物を採取して型をつくり、その型に樹脂を流し込んでパーツを成形します。日々の観察から得た感覚をもとに、それぞれのパーツを組み合わせ、「いきもの」の姿を考えていきます。その後、各パーツに彩色を施し、組み立てると完成です。この一連の工程を手作業で行うため、小さな作品でも完成までにおよそ3週間を要します。
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いままでの活動
- 留学先のオーストリアから帰国し、自然の多い環境をもとめていたところ、縁あって京都府南部の南山城村に制作の拠点を持つことができました。
国内外のギャラリーや美術館などで作品を発表するほか、近年では自身の制作手法を取り入れたワークショップを開催し、自然の面白さを伝える活動も行っています。 -
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このプロジェクトについて
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目まぐるしく過ぎる日常
- いま、社会はかつてない速さで変化を続けています。情報や効率が重視される一方、足元の自然や小さな命に目を向ける時間は少なくなっているように感じます。
私たちは本来、自然の一部として暮らしてきました。鳥のさえずりに耳を澄まし、草木の芽吹きや季節の移ろいに心を寄せることは、長い時間をかけて育まれてきた私たちの大切な感覚ではないでしょうか。
だからこそ、ただ作品を発表するだけではなく、展覧会を通して自然と向き合い、身のまわりにある小さな存在へ目を向ける時間を届けられないかと考えてきました。 -
一休寺と私
- 京田辺市で育った私にとって、酬恩庵(しゅうおんあん)一休寺(以降、一休寺)はとても身近なお寺です。子どものころは、家族や友人と3キロほどの距離を、徒歩や自転車で訪れることもありました。道すがらには、雄大な甘南備山、季節の花々が咲く野原、小さな生き物が暮らす川辺、青空を写す田んぼ、そして自然の山を借景に悠然と佇む一休寺。人の営みと自然が溶け合う、美しい風景がありました。
こうした風景や一休寺の空間、美意識は、私の感性を育み、作品にも色濃く息づいています。 -
- そして今年(2026年)、光栄にも 「令和7年度京都市芸術新人賞」をいただきました。この受賞を機に、自分の原点となった土地や自然について思いを巡らせたとき、真っ先に思い浮かんだのが一休寺でした。その風景とともに作品をお届けしたいという思いから、一休寺の副住職に展示のご相談をさせていただいたところ、快くご承諾をいただくことができました。
一休さんが「師の恩に報いる」という想いを込めて名付けた「酬恩庵」で、私もこの土地への感謝を込め、展示を通して少しでも恩返しができればと思っています。 -
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空間にひそむ「いきもの」
- 本展では、一休寺の境内に息づく植物をもとに制作する作品をはじめ、同じ山城地域の植物をもとにした「いきもの」たちを展示します。
長い歳月を重ねた場所には、人の手では決して生み出せない時間の深みがあります。その静謐な空間にひそむ、小さな「いきもの」たち。 ゆったりと流れる時の中で自然とのつながりを感じ、日々の暮らしの中で見過ごしがちな存在に目を向ける。そんなひとときをお届けします。 -
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- 【 展示概要 】
タイトル:We are here ~ いま、ここに、いる ~
会 期:2026年11月1日(日)~23日(月・祝)
時 間:9:00~17:00(最終受付16:30)
会 場:酬恩庵 一休寺(京都府京田辺市薪102)
アクセス:https://www.ikkyuji.org/access/
鑑 賞:無料 ※拝観料別途
主 催:Nature Arts(新野 洋)
共 催:酬恩庵 一休寺
後 援:一般社団法人 京田辺市文化協会 -
この場所を大切に思う気持ちを広げたい
- 子どもから大人まで、どなたにも気軽に足を運んでいただき、一休寺の魅力に触れていただける機会にしたいと考えています。そこで、本展では「鑑賞料」という形ではなく、この取り組みに共感してくださるみなさまのお力をお借りしながら、展示を実現したいと思っています。
会場となる一休寺の文化や美しい植物たちは、先人たちが守り、つないできたかけがえのないものです。この場所が、これからも誰かのこころの拠り所でありつづけるよう、多くの方にその魅力を知っていただきたいと考えています。お心を寄せてくださるみなさまとともに、この場所を大切に思う気持ちをさらに広げていけましたら幸いです。 -
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集まった資金の使い道
- クラウドファンディングに関わる諸経費(手数料やリターンの原価・配送費など)を除き、本展覧会の広報物の制作、作品の設置、お寺の空間を守りながら、ご来場のみなさまが安心して鑑賞できる環境を整えるための運営費として、大切に活用させていただきます。
目標金額を超えるご支援をいただいた場合は、一休寺の景観保全に役立てていただくため、近年の気候変動の影響を受けている紅葉や苔の保全資金として、一休寺へ寄付いたします。 -
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リターンについて
- 一休寺境内の植物をサンプリングして制作する作品をはじめ、一休寺や作家にゆかりのある品など、本展にちなんだリターンをご用意しました。
一休寺オリジナルの作品と制作過程を記した構想手帳、またその絵柄を用いた手ぬぐいにつきましては、8月より制作を開始するため、完成までの間は仮イメージでのご案内となります。
制作の様子を「新着情報」でお届けし、記載の時期を目安に完成品の画像を公開させていただく予定です。少しずつ形になっていく過程も含め、楽しみながらお待ちいただけますと幸いです。 -
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- 応援コースを除くすべてのリターンには、一休寺の拝観券をお付けしています。会期は、紅葉が色づき始める季節です。秋が深まる一休寺へ、ぜひ足をお運びください。
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リスクとチャレンジ
- 目標額に達しない場合も展示は開催いたします。ただし、天災や社会情勢などの影響により、やむを得ず展示内容や会期を変更する場合があります。変更が生じた際は速やかにお知らせし、ご支援くださったみなさまに安心していただけるよう、誠意をもって対応いたします。
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さいごにメッセージ
- ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
私は、朝起きて、窓から見える山の稜線を眺めるのが好きです。
留学で海外に身を置いたときに気づいたのは、日本、そして生まれ育った環境の自然の美しさでした。みずみずしく豊かな山々やそこに息づく多様な動植物。さまざまな気候や風土が育んできたこの土地のことを、改めて見たい、もっと知りたいと感じました。
雄大な自然を前にすると、自分自身の存在について静かに考えることができます。長い歴史と文化を受け継いできたお寺にもまた、同じような力があるように感じています。
目まぐるしく過ぎる日常から少しだけ足を止め、考えてみませんか。私たちは、次の世代へ何を手渡していけるのでしょうか。私自身も「今」を預かる一人として、この土地の自然や文化に向き合い、これから先も残していきたい大切なものについて、みなさまと考えていきたいと思っています。
温かいご支援・ご声援をどうぞよろしくお願いいたします。 -
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応援メッセージ
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田邊宗弘〈 一休寺 副住職 〉
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- 禅は、自然を支配するものではなく、その中に身を置き、ともに生きる智慧を大切にしてきました。一休寺の庭園もまた、借景によって土地の自然を生かし、人と自然が響き合う世界を表しています。生命の根源を見つめ続ける新野洋さんが、幼少期を過ごした京田辺、そして一休禅師が多くの文化人を迎え、新たな文化を育んだこの寺で作品を発表されることに深いご縁を感じます。同じ京田辺に生まれ育った一人として、また寺に関わるものとして、この展示が自然との共生をあらためて見つめ直す機縁となり、新たな文化の種を未来へつないでいくことを心より願っています。
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秋丸知貴〈 美術評論家・滋賀医科大学非常勤講師 〉
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- 一休宗純(1394-1481)は、生と死を見つめ続けた禅僧である。虚飾を排したその自然な直心は、弟子の村田珠光(1423-1502)が創始した、大自然への回帰を理想とする侘茶へと受け継がれた。一休に珠光が参禅したのが酬恩庵であり、その虎丘庵庭園や一休墓所前庭は、珠光の作庭と伝えられている。
新野洋(1979-)もまた、生命の根源を見つめ続ける芸術家である。その作品は、日本人ならではの確かな生命観に深く根差しているからこそ、国境や文化を越えて共感を呼ぶ普遍性を備えている。彼は、流行や時代の趨勢に流されることなく、自らが求めるもの、自らが表現すべきものを、寡黙に生涯追求し続けるタイプの芸術家である。京田辺市に生まれ育ち、現在もこの地に根差して制作を続ける姿は、この土地に息づく芸術文化の豊かな蓄積を改めて実感させる。
生と死を凝視した一休、自然の美を茶の湯へと昇華した珠光、そして生命の根源を造形へと結晶させる新野洋。三者を貫いているのは、時代を超えて受け継がれる「生命と自然へのまなざし」である。その静謐な精神的系譜が、この地で新たな創造として響き合うことを期待したい。 -
内田千恵〈 Art7ten・HUB-IBARAKI ART PROJECT ディレクター〉
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- 私が深く信頼し、作家としても人としても素晴らしい新野さんが、新たにプロジェクトに挑戦されるとのこと。自然への深い洞察と丁寧な観察が生み出す彼の作品は、いつも自然との関係性を心地よく問い直してくれます。 一休寺という特別な場と、その土地の対話からどんな作品が生まれるのか、今から本当に楽しみです。このプロジェクトが成功し、一人でも多くの方に届くことを願っています。

















