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ごあいさつ
- 京都モダン建築祭は、京都に息づく建築文化をひらき、その価値を未来へつないでいくためのプロジェクトです。
ふだんは公開されていない建築に入り、その空間に身を置き、歴史や営みに触れる。建築を通してまちを知り、人と出会い、新しい視点で京都を見つめなおす。
私たちはこの4年間、多くの方々とそんな体験を共有してきました。
そして5周年を迎える2026年。
今年のテーマは、「建築体験の密度を高める」です。
建築を見るばかりでなく、その場所で過ごし、その空間を味わい、人や文化との関係を結ぶ体験へ。
この挑戦を象徴する企画として、京都モダン建築祭5周年記念 特別イベント「東山大茶会」を開催します。 -
なぜ、茶なのか。
- 建築は本来、人が滞在するための場です。
そこには時間が流れ、人が集い、文化が育まれます。
茶の文化は、そうした「場の力」を最大限に引き出してきました。
茶室だけではありません。
近代京都では、寺院や別邸、庭園、工芸、美術、人々の交流までもが茶を媒介として結びつき、新しい文化が生み出されてきました。
大正10年(1921年)に開催された「東山大茶会」は、その象徴的な出来事です。
東山一帯の寺院や別邸、庭園を舞台に、多くの人々が集い、名品を愛で、語り合い、新しい時代の美意識を育みました。
それは、茶を介して、建築、庭園、工芸、芸術、人の交流が交差する都市的な文化イベントでした。
それから百余年を経た、令和の今。
私たちは、その精神を現代にひらきたいと考えています。 -
- 長楽館(旧村井家別邸)
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伝説の「東山大茶会」とは
- 大正10年(1921年)11月。陶界の名工である野々村仁清、尾形乾山、青木木米の偉業を称える記念事業として、野村碧雲荘から無鄰菴、京都国立博物館にいたる東山一帯を舞台に、4日間にわたる「東山大茶会」が盛大に開催されました。
この一大イベントを発案し、近代京都の豊かな文化形成に大きな影響を与えたのが、当時の傑出した「数寄者」たちです。
・松風嘉定(松風創業者・実業家・陶業家)
・野村得庵(野村財閥・実業家)
・清水六兵衛(京焼の陶家)
・根津嘉一郎(東武鉄道社長・根津美術館)
・熊谷鳩居堂(鳩居堂・書家)
・久原房之助(鉱山王・日立鉱山創業者)
・土橋嘉兵衛(永昌堂・美術商)
・山中定次郎(山中商会・美術商)
・春海藤次郎(一樹庵・古美術商)
・平井仁兵衛(東庵・呉服商)……ほか
経済界や工芸界を牽引した彼らは、お茶を嗜むだけでなく、自らの審美眼で好みの空間や道具を創造し、交差する社交文化を生み出していきました。
私たちが令和の今、挑戦する「東山大茶会」は、100年前の形式をそのまま再現するものではありません。
彼ら偉大な数寄者たちが残した独自の美学や思想を現代に受け継ぎ、その“派生・展開”として、令和の新しい茶会を組み立てる試みです。 -
- 1921年11月20日の京都日出新聞夕刊(写真提供:京都新聞社)
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建築を「見る」を超えて、「居る」へ。
- 東山に点在するモダン建築、別邸、美術館、宗教建築、庭園。
それぞれの場所に宿る歴史や物語に触れながら、令和の多様な喫茶文化を体験する。
建築の中でお茶をいただく。
庭を眺めながら語り合う。
解説を聞き、空間の背景を知る。
そこで出会った人と時間を共有する。
そうした体験を通じて、建築は単なる「見学対象」から、自らが参加する「文化の場」へと変わっていきます。
東山大茶会は、建築を「見る」から「居る」へと変える試みなのです。 -
- 五龍閣(旧松風嘉定邸)
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東山大茶会、5つの特別プログラム
- 令和の京都にふさわしい、自由で多様な茶会のかたち。今回は、東山の歴史あるモダン建築や庭園を舞台に、以下のプログラムを展開します。
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①【建築 × 茶 × アート】人と空間が交差するハレの一日
- 2026年11月3日(火・祝)。大正時代の東山大茶会でも会場のひとつとして賑わった粟田山中邸こと現パビリオンコートを舞台に、一日限りの特別イベントを開催します。谷晃野村美術館館長の茶話会や、旧京都山中商会当主による館内案内。そして、アーティストで建築家の杉浦久子さんによる“旅する茶室” WA-AN(和庵)が、テヘラン、パリ、東京を経て、この日、京都で初めてのお披露目となります。
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- パビリオンコート(旧粟田山中邸)
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② 【茶会】名建築で紡ぐ茶の湯体験
- 大正期の数寄者らの美学が息づく建築で、建物と茶の深いつながりを五感で体験する茶会です。かつて東山大茶会の会場にもなった無鄰菴(山縣有朋の別荘)では、近代日本庭園の傑作と名高い名勝庭園を眺めながら、建築と庭とお茶が織りなす豊かなひとときを。東山大茶会の世界を体験してください。
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- 無鄰菴 ©植彌加藤造園
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③ 【多ジャンル茶会】自由で多様な喫茶の愉しみ
- 伝統的な日本茶だけにとどまらず、令和の多様なライフスタイルに寄り添う茶会を。美しい空間の中で味わう「紅茶の茶会」「中国茶会」「コーヒー茶会」など、空間ごとに異なる一服をご用意します。
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④ 【ガイドツアー】物語をめぐる回遊企画
- 古今の茶室、数寄屋建築や名庭の解説ツアーをはじめ、東山大茶会が育んできた「京都の職人の技」に深く触れるツアーを開催。研究者や職人の案内で、歴史的な数寄者たちの足跡をたどり、東山の地を巡ります。
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- 白河院
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⑤ 【特別講演会】歴史の背景をひも解く
- 東山大茶会の歴史や文化的背景に造詣の深い専門家による特別講演を開催します。貴重な建築空間を会場に、東山大茶会が持つ物語をより深く味わうための時間をお届けします。
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- 「洛陶會 茶席案内略図」出典:『松風嘉定傳』
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5周年を迎える京都モダン建築祭だからこその、挑戦
- 京都モダン建築祭は2022年にスタートしました。
初年度から多くの方にご参加いただき、昨年は129件の建築が参加、のべ7万人を超える方々が建築を通して京都を巡りました。
その歩みの中で私たちが感じてきたのは、「建築の魅力は、建物そのものだけではない」ということです。
その場所で営まれてきた時間。
守り継いできた人々の想い。
そこに集まる人との出会い。
そのすべてが重なり合って、豊かな建築体験が生まれます。
だからこそ5周年の節目に、私たちは建築の公開だけではない、新しい体験のかたちに挑戦したいと考えました。
東山大茶会は、その象徴となるプロジェクトです。 -
- 茂庵(旧谷川茂次郎茶苑)旧点心席
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このプロジェクトで実現したいこと
- 東山大茶会は、ただイベントを開催することだけが目的ではありません。
私たちが目指しているのは、建築文化を未来へつないでいくための「新しい仕組み」をつくることです。
京都には数多くの歴史的建築があります。
しかし、その価値を守り、維持し、次世代へ引き継ぐことは簡単ではありません。
建物を維持する人がいる。
活用する人がいる。
その価値を理解し、応援する人がいる。
そうした関係性があってはじめて、建築文化は未来へ受け継がれていきます。
東山大茶会を通じて、建築と人との新しい関係を育みたい。
建築を愛する人を増やしたい。
文化を支える仲間を増やしたい。
それが私たちの願いです。 -
東山大茶会 開催概要
- ◆日時:2026年10月31日(土)~11月8日(日)
◆会場:東山一帯および近隣エリア
◆参画数:約50件(予定)
※詳細は後日、公式サイトにて公開 -
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ご支援の使い道
- 皆さまからいただいたご支援は、東山大茶会の運営費として大切に活用いたします。
・会場となる建築・庭園でのプログラム実施費
・講演会や茶会などの企画制作費
・建築所有者・運営者との連携費
・会場設営・安全管理費
・広報制作費
・建築文化の継承につながる記録・発信費
・クラウドファンディング実施経費
この取り組みを、今後につながる文化的な資産として育てていきます。 -
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リターンについて
- 今回ご用意したリターンは、京都モダン建築祭がひらいてきた建築との出会いを、より深く味わっていただくための参加体験につながる内容を目指しました。
大正時代の東山大茶会では、建築や庭園、工芸、美術、人々の交流が、お茶を介して豊かにつながっていました。今回のリターンもまた、その精神を受け継ぎ、建築を「見る」ばかりではなく、「その場で過ごし、味わい、人と出会う」体験をお届けします。
専門家の解説を聞きながら巡る特別ガイドツアー、建築家やアーティストとの特別な時間など、このプロジェクトだからこそ実現できる体験をご用意しました。通常は体験できない空間や、この期間だけの特別なプログラムを堪能してください。
また、オリジナルグッズや2026年京都モダン建築祭のパスポート付きのリターンもご用意しています。京都の建築文化をより立体的に味わっていただければ幸いです。
ご支援いただくことは、建築文化を未来へつないぐ仲間になっていただくことでもあります。ぜひ、この挑戦にご参加ください。 -
- 無鄰菴 ©植彌加藤造園
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リスクとチャレンジ
- 仮に目標額に達しなかった場合でも、「東山大茶会」は開催します。寄せられたご支援を最大限活用し、京都モダン建築祭5年目の挑戦に取り組んでいきます。
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応援してくださるみなさまへ
- 京都モダン建築祭は、民間から立ち上がり、多くの人の志と協力によって育まれてきました。
ここまで続けてこられたのは、建築を愛する方々、建築を守り続けてきた所有者の皆さま、地域の皆さま、そして参加者の皆さまのおかげです。
東山大茶会もまた、多くの方々とともにつくるプロジェクトです。
文化は誰かひとりが残すものではありません。建築を愛する人、茶を愛する人、京都を愛する人。それぞれの想いが重なったとき、新しい文化が生まれます。
百年前の東山大茶会がそうであったように、私たちもまた、この時代の京都から、新しい文化の風景を生み出したいと思います。 -
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支援することは、文化の未来に参加すること
- 建築には、人の時間が刻まれています。
茶には、人と人をつなぐ力があります。
東山大茶会は、その二つが出会う場所です。
過去と現在をつなぎ、建築と人をつなぎ、京都から未来へ文化を手渡していく。
京都モダン建築祭5周年記念の特別イベント「東山大茶会」。
この挑戦に、ぜひご参加ください。 -
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応援の声が寄せられています!
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建築史家 | 矢ヶ崎善太郎
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- 茶会とは、お菓子を食べながらお茶を飲み、日常の先入観やわだかまりを捨て、ただその時間と場所と人との出会いに感謝し、さりげない会話を楽しむ場です。素直な人間同士の交流にこそ、新しい時代をつくる創造力が潜んでいます。大正10年の秋、京都で「東山大茶会」が開かれ、多くの人が東山を闊歩し、東山地域の文化的環境がひろく発信されました。それまでにはなかった美意識も生まれ、新たな経済活動が展開する契機にもなりました。今年、京都モダン建築祭の5周年特別イベントとして「東山大茶会」が復活します。いまの時代にふさわしい茶会を通じて、伝統に軸足を置きながらこれからの日本を考え、語り合う。そんなわくわく感あふれる楽しい場をみんなでつくってみませんか。建築と庭の伝統には未来を創造する底力がある、と信じています。
<プロフィール>
矢ヶ崎善太郎(建築史家)
大阪電気通信大学建築・デザイン学部教授。文化庁文化審議会専門委員、京都府文化財保護審議委員、京都市文化財保護審議員、文化財庭園保存技術者協議会評議員、茶の湯文化学会理事、日本建築協会京都支部長ほか。主な論文、著書に「茶会の場の考察」(『近代京都の美術工芸』)、『庭と建築の煎茶文化』(ともに思文閣出版)など
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文筆家 | 甲斐みのり
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- 第一回目から、いち参加者として、またイベント登壇者やツアーガイドとしても、京都モダン建築祭を心待ちにする大ファンのひとりです。普段はなかなか見学できない建築をみんなで愛でる機会をいただいてありがたい限り。東山大茶会で、自由で多様な喫茶の愉しみを体感できることに今からわくわくしています。
<プロフィール>
甲斐みのり(文筆家)
旅、さんぽ、手みやげ、クラシックホテル、暮らしなどを主な題材に執筆。著書は、ドラマ「名建築で昼食を」の原案にもなった『歩いて食べる 京都のおいしい名建築さんぽ」など50冊以上。














